先日、解体工事施工技士の更新講習に参加したスタッフがいました。
さて、先日の投稿『解体工事業の技術者要件(経過措置終了まで後1年)』でも解体工事に関する既存の資格の一覧でもご紹介した
解体工事施工技士
について、今回クローズアップして紹介したいと思います。
この『解体工事施工技士』は解体工事の技術者という位置づけになります。
建設業法が改正された平成28年(2016年)6月、許可業種に「解体工事業」が「とび土工」から独立して新たに新設されました。
許認可を受けるうえで重要な要件を満たす資格の仲間入りとなりました。
一般的に、建設業において、
・(1級、2級)土木施工管理技士
・(1級、2級)建築施工管理技士
が国家資格として有名だと思われます。
「解体工事施工技士」は 公益社団法人全国解体工事業団体連合会主催の資格です。
解体工事施工技士ってどんな資格なの?
解体工事施工技士とは、
・解体工事の工法
・見積り、事前調査
・建築資材や解体工事で使う機材
・建設リサイクル法による資材の回収方法
・廃棄物の処理方法
解体工事業に従事する現場管理者等が、施工管理能力の向上を図ることを目的 とした資格であり、解体工事の施工・管理に必要な知識を証明するための資格ともいえます。
年に一度の解体工事施工技士試験(12月初旬に実施)に合格すると、資格者証が発行されます。
有効期限は5年で、更新の際に講習を受ける必要があります。
※更新は5年毎に必ず行う必要がありますが、1回目の更新の時は講習受講は「必須」で、2回目以降の更新からは講習受講は「任意」となるようです※
どんな時に必要なの?
解体工事施工技士の資格をもっていると、
①【一般建設業許可 】 を受けて営業する場合、許可要件の【専任技術者(主任技術者)】となることができる
②建設業許可と別腹の【解体工事業登録】の技術管理者となることができる。
また、建設業許可を受けて解体工事を施工する際、現場には必ず主任技術者を置く必要があり、解体工事施工技士は主任技術者の資格要件を満たしています。
解体工事施工技士でどんなことを学ぶの?
試験の主催者(全国解体工事業団体連合会)が開催している【解体工事施工技術講習】の時間割を参考にしてみるといいと思います。
■ 解体工事施工技術講習
全国解体工事業団体連合会 「 解体工事施工技術講習:講習内容」より
・建設業法・建設リサイクル法・資源有効利用促進法
・労働安全衛生法等(労働災害統計・事例・KYT等)
・石綿障害予防規則・大気汚染防止法・騒音・振動規制法
・廃棄物処理法 (廃棄物の基礎知識 ・ 建設廃棄物処理指針・有害物処理・フロン排出抑制法 )
・土木建築の基礎知識
・解体工事の計画と管理(事前調査・積算・見積・契約・届出・許可申請・施工計画・許可申請・施工管理)
・解体工法・解体用機器
・解体作業(仮設・ W・S・RC・SRC造解体作業の手順・留意点・施工事例等 )
上記のような解体工事に関する必要な知識を色々と学ぶことができます。
後述にて詳しく紹介しますが、解体工事施工技士の受験資格には解体工事の実務経験が一定以上必要になります。
『解体工事を知らない人間は受験資格がない』
ということになりますが、今まで解体工事において
何気なく仕事として処理していたことが、解体工事施工技士の資格勉強をすることにより、様々な法令を学びより深く理解ができるようになると思います。
解体工事施工技士をおススメしたい理由
私も数年前にこの「解体工事施工技士」を受験した一人です。
特に「建設リサイクル法」は届出など義務的に処理をそれまでもこなしていましたが、この資格勉強でよく内容が分かり、また「廃棄物処理法 」も何となくだった「もや~」とした部分が明瞭になり、部下にも自信を持って教えれるようになりました。
解体工事って意外と色々な法令の絡みがあり、知識をできるだけ広く持つことが必要だと思ってます。
その中で、この「解体工事施工技士」は資格勉強をする際にこのような知識をつけることができ、業務においてもステップアップできる資格だと思います。
解体工事を営む中で「①解体工事業登録」「②建設業許可」のいずれかの許認可を受ける必要が出てくると思いますが、その際にもこの資格を持っているとスムーズにいきます。
ということは、世間一般的にみて、無資格者よりも解体工事施工技士の資格者の方が需要があるとみてもいいかと思います。
解体工事施工技士試験について
試験日
令和元年度(2019年度)第27回の試験日程は下記のようになります。
試験日 | 2019年12月1日(日) 12:20~16:30 |
願書提出期間 | 2019年9月2日~11月1日 |
合格発表日 | 2020年2月7日(金) |
>>詳細や最新の試験については「全国解体工事業団体連合会」のHPにてご確認ください。
受験資格
解体工事施工技士の試験を受けるためには、解体工事の実務経験が一定以上必要となります。
学歴 | 必要な解体工事の実務経験年数 | |
---|---|---|
指定学科卒業者 | 指定学科以外の卒業者 | |
新制大学又は旧制大学を卒業した者 | 卒業後1年6ヶ月以上 | 卒業後2年6ヶ月以上 |
短期大学、高等専門学校(5年制)又は旧制専門学校を卒業した者 | 卒業後2年6ヶ月以上 | 卒業後3年6ヶ月以上 |
新制高等学校、旧制中学又は旧制実業学校(甲種)を卒業した者 | 卒業後3年6ヶ月以上 | 卒業後5年6ヶ月以上 |
その他の者 | 8年以上 |
注意:
1)「指定学科」は国土交通省令(施工技術検定規則〈土木施工管理・建築施工管理〉)に規定する学科
2)「実務経験」は解体工事に関するものに限る
出題範囲
・土木・建築の基礎知識
・解体工法・機器
・施工計画
・安全管理
・環境保全
・廃棄物処理
・関連法規
・その他
設問・形式・合格基準等
① 四肢択一式試験 :50問90分/100点中50点以上
② 記述式試験 :5問120分/100点中50点以上
上記①②の要件を満たし、かつ「基準合格点」以上にて合格となる
受験料・試験会場・申込方法
・受験料
インターネット申込 16,500円(税込) ※クレジットカード決済
インターネット申込 17,000円(税込) ※コンビニエンスストア決済
・試験会場
札幌・仙台・東京・静岡・名古屋・大阪・徳島・広島・福岡 等14都道府県にて開催
合格率
令和元年の合格率は執筆現在(2020年2月24日現在)公表されていませんが、それ以前の合格率は
H30年度:全国平均60.5%
H29年度:全国平均48.8%
H28年度:全国平均48.9%
H27年度:全国平均47.7%
となります。
願書申込にあたり注意すること
最初に、願書受付期間は比較的長いのですが、色々と準備する書類や実務経験に伴う証明書を会社にもらうなど、手間がかかるので、早めに願書を入手し、何を用意する必要があるかを諸段階のうちに確認することをおすすめします。
実務経験の年数に伴い、学校の「卒業証明書」など、現住所から卒業校が近いならいいのですが、遠方地の場合は郵送などの手続きが必要になります。
「実務経験証明書」は受験者本人が書きますが、その内容について会社に証明をもらう(印鑑をもらう)ことになりますので、会社によってはある程度時間がかかる可能性もあります。
また、結婚をされて姓が変わった方は、「卒業証明書」は旧姓のままなので、その履歴を証明するため「戸籍抄本」なども必要になるかと思われます。
「住民票」「証明写真」も必要です。
そして忘れてはいけない、「受験料の払い込み」
たしか、払込票も願書に添付する必要があったと思います。
こうやって考えると、ギリギリの対応は結構大変です。
早め早めの行動をおすすめします。
勉強方法(筆者体験談)
これは、私が数年前に受験した時の体験談です。
運よく一発合格をした時の勉強方法を紹介します。
解体工事施工技士は正直メジャーな資格ではなく、ある意味マニアックな資格だったため、参考書や過去問題集も種類が少なかった記憶があります。
(受験当時はまだ建設業法改正がされておらず、「解体工事業」が新設されていなかったので、当時は解体工事施工技士の資格の価値が現在よりもなかったかと思われます。)
よって、選択肢はなく、過去問題集を購入し、何度も何度も繰り返し、
『1肢1答』
で、最終的に何度も繰り返し問題をこなしました。
マークシートはこれで何とかなると思います。
ポイントは「1問1答」ではなく、「1肢1答」で問題をとくという点です。
問題は後半の「記述式試験」の方かと思われます。
もちろん過去問題集で色々と傾向はみて、それなりに考えましたが、現場などの実務経験も活かされたような気がします。
会社で行う安全衛生委員会の内容や、協力者会議なども出席していたので、会議で話された内容も絡んでいたり、工事現場で当たり前の『危険予知(KY活動)』などもいかされました。
私は、試験後に改めて振り返って、一番有効的だと感じたのは
全国解体工事業団体連合会 主催の『解体工事施工技術講習』
でした。
私自身、解体工事もすべて網羅しているわけでもなかったので、全体をまんべんなくざっと2日間の講習で理解でき、ちょっと曖昧だった部分や分からなかった部分もこの講習でグッと理解が深くなったかと思います。
仕事をしながら慣れない資格勉強をすることは至難の業です。
やっぱり疲れますよね?
勉強にたくさんの自分時間を費やしたいと思いませんよね?
私は多少は費用が発生してもいいので、効率的にできれば一発で合格した方がいいと思っていたので、自腹出費ではありましたが、2日間の講習に真面目に参加してみました。
ISOGAWAのスタッフでこの解体工事施工技士に合格した方がいますが、その方は過去問題集一冊だけ、ひたすら解いて合格したと言ってました。
年に1度、大体10月~11月中旬の期間で全国で順次開催をしているようです。
ちょうど、12月初旬の解体工事施工技士の試験を念頭に開催されているようです。
ちなみに、令和2年度のスケジュールは「4月以降に順次お知らせ予定~」とのことです。(2020年2月24日現在)
ここからは、ISOGAWAの宣伝となりますが、やはり営業活動をしていると、今まで色々な解体専門業者様との取引はあったけど、不満や不安を抱えているハウスメーカーや工務店、不動産会社様がいらっしゃいます。
その中で多い声として、
・工事中のマナーの徹底
・工事中の施主(顧客様)との密な連絡等のやり取り
・安全施工に対する意識
・工事前の挨拶
となります。
こういったお客様からのご依頼をいただき、満足していただき、お褒めの言葉をいただいてます。
安心して解体工事を任せていただける会社をお探しのお客様は、是非、ISOGAWAにご相談ください!
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